岡山県備前市伊部(いんべ)地区周辺を産地とする焼き物。
良質の陶土で一点づつ成形し、乾燥させたのち、絵付けもせず釉薬も使わず、
千数百度の炎の力によって七~十昼夜かけてじっくり焼き締めた硬質の妬器(せっき)です。
作品の詰め方や燃料である松割木の焚き方などの工夫により、
焼き味の景色は、胡麻・棧切・緋欅・牡丹餅などの変化に富んでいます。
窯変(ようへん)
Youhen
metamorphosed by charcoal
炭に埋もれ、還元焼成になったために、ネズミ色・暗灰色•青色等に発色します。
棧切(さんぎり)
Sangiri
roasted in ashes
自然棧切の他に、窯焚きを止める直前に大量の木炭を投げ人れる炭棧切も行われています。
胡麻(ごま)
Goma
dotted by burned ashes
灰が焼成中に作品に付着し、胡麻をふりかけたような状態になったものをいいます。
緋欅(ひだすき)
Hidasuki
reddened by chemistry
ワラの成分と粘土の鉄分が科学反応をおこし、緋色の線が現れたものをいいます。
投げても割れぬ、備前すり鉢
釉薬をかけず、1200度以上の高温で約2週間も焼き締めるため強度が高く、
昔から「投げても割れぬ… 」と言い伝えられています。
冷たいビール、温かいお茶
備前焼は内部が緻密な組織をしているために比熱が大きくなります。
そのため保温力が高く、熱しにくく冷めにくくなります。
きめ細かな泡で、うまいビール
備前焼には微細な凹凸があり発池能力が高いことから、きめ細かい泡立ちとその寿命が長いことから
香りを逃がさず、口あたり良く美味しく飲むことができます。
長時間おくと、うまい酒に
備前焼の内部に微細な気孔があるため、若干の微細な通気性が生じます。
これにより、酒、ウィスキー、ワインの香りが高くまろやかで、こくのある味になります。
うまい料理が食せる
備前焼は、他の焼き物に比べ表面の小さい凹凸が多いため、食物が皿肌に密着しないので取りやすく、
水分の蒸発力が弱いので乾燥を防ぎます。